「経営者って孤独だと思うんですよね」
冒頭に記載をしたのはその社長様から出た言葉です。
僕個人的な話になりますが、前職はある企業の取締役を務めていました。一般的な会社と比較すると経営業よりもプレイングマネージャー業への比重が重く、ある程度現場に入り込み現場の責任者として仕事をするタイプの取締役ではありました。ただ、会社の方向性や事業戦略、そして事業のあり方についてなどはいつも考えてきたつもりです。
取締役は社長の1つ下のポジションになります。社員とは異なり役員報酬となりますので賞与は出ません。勤務時間についてもタイムカードを記録することもありません。あくまで経営陣扱いです。ただ、社長と取締役の考えてること、当事者意識にはかなりの差があると個人的に思っています。
もちろん世の中には社長よりも取締役のほうが将来を考えている企業様もいらっしゃるかと思います。
ただ、やっぱり違うのです。経営者である社長と、取締役以下で何が異なるかを記載してみたいと思います。
(1)コスト意識
会社の資金がなくなる事は、自分個人の銀行口座がゼロ円になることを意味します。みなさんの個人の銀行口座の残高がゼロ円になった上で離職をしてしまったらみなさんどうしますか?必須に就職活動をすると思います。会社の経営も一緒です。会社の資金がなくなる前に頑張って営業をしてお金を作るのです。そのヒリヒリ感を感じることができるのは間違いなく社長なのです。
僕が前職の取締役のときはそこそこキャッシュリッチだったかと思います。コスト感覚は持っていたつもりですが、そこまでのコスト意識は持っていなかったかと思います。今会社の代表になって初めて持った感覚です。
この前、ある方から、
「今、一つの事業責任者をしており、そこでPLとか作りながらコスト感覚は持っているつもりです」とおっしゃっていました。この取り組みはすごく良いのですが、その元手となるキャッシュ会社が出していると思うので、ここでいうコスト感覚は僕が言っているコスト感覚とは全く異なる内容です。
(2)相談できる人が少ない
社内の最終決裁者は代表であり、取締役やマネージャーなどに相談をしますが結局のところ最終決裁者は自分です。上司がいるのであれば判断をあおぐこともできますが、全て自分で決断しなくてはならず、且つ責任を持つのも自分です。ですので、相談をしたいときに社内に自分より経験があるプレイヤーが少ないことはネックになることがあります。
(3)当事者意識の差
「山根さん、本件大変申し訳ございませんでした…」と神妙な顔をして謝罪にくる社員がいますが、「は?なぜ俺に謝るの?お客様に謝罪したのか?」と聞くと、まだであることが多いです。そのときは強烈に叱咤しています。山根に謝るなんて何も生産性がありません。後回しで良いのです。
別の方向から話をすると、代表からすると個人(1人の社員)のミス=会社全体のミスと捉えます。数千、数万名の企業は少し感じにくいかもしれませんが、1人の社員のミスは会社としてのミスになるのです。
「若い頃からベンチャー企業で揉まれながら成長したいです!」
「今まで大手企業で成果は上げてきたのですが、これからはベンチャーで一花咲かせたい」
すごく良い志向性だと思うのですが、できるだけベンチャー企業の「社長」の視点を持ってください。それだけで社長としては満足度は上がります。
では。
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