「エージェントが良い候補者を送ってこない」のは、自分のせいだった。

「エージェントが良い候補者を送ってこない」のは?


とある企業の社長様が、こんな言葉をもらしていたことがありました。


「エージェントは良い候補者を送ってこないから信用していないんだよね」


一方で、エージェントから常に良い候補者の方をご紹介頂いている企業様もあります。この違いはなぜ出てしまうのでしょうか?端的にいえば、それは「社長ご自身のせい」だったのです。


理由1:書類選考のスピード不足

事例ベースでお話しますね。わかりやすいようにA社としましょう。

A社は80名程度のインターネット系の企業です。採用担当も数名いらっしゃるのですが、書類選考は代表の方がやっており、面接は職種によって、1次面接から出たり、最終面接から出たり、と分けていました。

ここで問題点が発生していました。まず、代表の「書類選考をするスピードが遅い」ということ。エージェントから候補者のご紹介を頂いてから、3日、5日、1週間と書類選考結果を滞留していました。エージェントから催促がくると、「確認しますね」と返答をして、結果をなかなか提示しない。


そしてエージェントから、「この候補者様、お見送りでよろしいでしょうか?」と質問がきたら、「あ、すみません。この方お会いしたいと思います」と返答。エージェントからしたら、「であればご紹介した当日にジャッジしてくれよ…」という気持ちが芽生えます。


スピードの速い企業のほうが間違いなく有利

仮にご紹介日から、1週間後に書類選考結果を提示したとしましょう。おそらく、10社応募した時の書類選考スピード順位でいうと9位か10位だと思います。その時点で8〜9社が御社よりも前に選考が進んでしまっており、もしかしたら最終面接まで進んでしまっている企業もあるかもしれませんね。


エージェントの社内ではこういったコミュニケーションが取られています。

「この前話題にあがっていたA社。社長が『採用ニーズ高いから是非ご紹介してくれ』、と言っていた割には書類選考スピードものすごく遅いし、であれば別の企業に注力しようか」

至極当たり前の判断です。採用企業の選考に対する姿勢は、エージェントは敏感に反応をしますし、スピードが速い企業のほうが間違いなく良いのです。



理由2:面接で「惹きつけ」ができていない

次はB社の話です。

30名程度のインターネット系企業の話です。書類選考は人事担当が、1次面接は社長が行なっており、2次面接で現場マネージャーor取締役が担当しています。1次面接で問題点が発生していました。その社長は「面接だけ」をしていたんです。ここ最近、各社面接がものすごく上手になっています。


「面接」は、見極め と 惹きつけ に分かれます。


見極め:その求職者がスキルをお持ちなのか、人柄が自社にマッチするのかをジャッジすること

惹きつけ:自社の説明をし、その求職者が求めている情報に対して重点的に自社の魅力を伝えること


です。面接が下手な企業は面接=見極め と捉えてしまい、求職者を惹きつけることがほぼできていないケースが多いのです。


「見極め」だけで求職者を引きつけることはできない

「いやいや、面接ってその見極めってやつをやる場でしょ」


その通りなのですが、IT/インターネット業界の有効求人倍率はご存知でしょうか?

現在、全業界の有効求人倍率は1.59倍程度なのですが(2017年12月現在)、IT/インターネット業界は感覚値ですが3〜4倍程度かと思います。つまり3〜4社が1人の求職者を採り合っている状況。そんな中、見極めだけしていても求職者の気持ちを惹きつけることってできないんですよね。


話をエージェントに戻します。

エージェントは選考において「惹きつけ」をしてくれる企業様にご紹介を寄せる傾向があります。

「この採用企業に面接さえ行ってくれれば、求職者の意向が上がった状態になる」とエージェント社内が認知すれば、一気にご紹介数が上がったりするんです。



2つ事例を記載してみましたが、これ以外にも多数のポイントがあります。

エージェントは候補者様を多数確保していますし、皆さまがビックリするほど優秀な登録者もいらっしゃったりします。ただ、そういった優秀層に対して、御社のご紹介を自信を持ってできるかというと、そうでもないのです。

前述した通り、「選考スピードが遅い=選考に本気ではない」、「面接が下手⇒故に求職者の意向が上がらない」、という企業様はエージェント内のカウンセラーが御社をご紹介する件数は極端に少なくなってくるでしょう。


エージェントさんを業者扱いしては絶対にダメですし、そのあたりを認識しながら採用に取り組む姿勢を変えてみてください。劇的に状況が変わってくるかと思います。