ベンチャーで初めて組織をつくるあなた(私)へ

本記事はnoteからの転載です。


ポテンシャライトはベンチャー特化の採用支援をしており、シード期〜シリーズAを中心とするアーリーベンチャーが約3割、シリーズBが約2割をしめます。

3期目の現在、累計採用支援社数130社を超えました。CxOからエンジニア、ビジネス職、アルバイト、インターン採用など、対象は多岐に渡ります。「採用」という切り口ではおおよその体系は提供できるようになってきました。


しかし、採用はあくまで手段であり、会社にとっても入社する人にとってもスタートです。


👉採用はうまくいったけれど、離職が続き定着に悩んでいる
👉メンバー採用とともに、マネジメント採用・育成が急務
👉1on1の運用や称賛、エンゲージメント施策などを相談したい


ベンチャー経営者や人事の方から、組織づくりやマネジメント、配置、評価など、採用のスコープを超えるご相談をいただくことも実はとても多いです。

多くのベンチャー経営者は、人生で初めての起業に試行錯誤しながら、組織作りをしていくことになります。


特に、社員10名台〜20名台くらいで最初の人事がjoinするまでのアーリーフェーズでは、専任の人事がいません。多くの経営者が、人事や組織構築の経験をあまり持たず慣れない中で、経営の苦労とともに人事組織の苦労を経験します。


そういったご相談を頂いた時に参考になれるように、と蓄積した社内メモを書き起こしたのが、本noteの元です。


加えて、私自身が非専任ながら自社の人事(これが噂のぼっち人事!)を担うにあたり、制度設計や組織構築の経験をお持ちの人事経験者の方々に行脚しお話をお聞かせ頂きました。


その学びも含めて本noteを記載しました。


▼お話をお聞かせいただいた人事の皆様
・DMM.com 林 英治郎さん
・Azit 油谷 大希さん

・Housmart 細川瑛司さん

・安野友博さん ※フリーランスとして人事をされています

(順不同/記載のご了承頂けた方のみ記載しています)

人事として採用のみでなく制度設計や労務ふくめて人事組織構築を経験されてきた方々で、お話していて学びの連続でした。

ご多忙の中、お話をお聞かせ頂いたこと、心から感謝いたします。



noteの構成としてはこの3つです。


▼構成
(1)ベンチャーの人事・組織構築に影響を与える大きな3つのファクター
まずベンチャーの人事組織にどんなファクターが大きく影響するのか?または、すでに、影響しているのか?

(2)ベンチャー人事(特に1人目の人事)に求められること

最初の人事(ぼっち人事)に求められることは?

(3)組織づくりすることになった人に向けたTips

バラバラないくつかの切り口で、Tipsを記載

※ここは興味のある箇所以外飛ばして頂いても良いかと思います

お読みになる前に前提のご理解をいただければ幸いです。


▼誰向けに書いたのか

🧐ベンチャーで初めて慣れない組織づくりをしようとしている経営者

🥺ベンチャーで最初の人事(非専任/専任)として奮闘する人


▼前提

・ベンチャーの組織づくりは、ビジネスや創業背景など様々な要因により、非常にケースバイケースです。

・特定の事例の記載を避けているため、汎用的な記載が多いです。

・書物から学んだことはそのことがわかるように記載しています。

取り入れられそうなところを取り入れるという視点でお読みいただけると良いかと思います。



◆ベンチャーの人事・組織構築に影響を与える大きな3つのファクター


ベンチャー初期で組織づくりをすることになる方々にとって、そもそも前提の自己理解(どんな背景や課題があるのか/起こりうるのか)のために記載します。


⑴創業者(創業メンバー)


・社会人(ビジネス)経験有無

創業者(創業メンバー)の社会人経験有無です。


学生起業の場合、マネジメントされた経験や組織で働いた経験が不足していることが多いため、下記のような課題をおもちのことが多いです。

- 組織づくりのイメージができない

- 組織経験のある人をマネジメント上手くできない ※採用本格開始後


ここでいう、社会人経験をお持ちであることで見つけるスキルとは、組織で働くことで身に着ける「各関係者間で上手く立ち回り物事を進めていく」「人を動かす」「プロジェクトをディレクションする」といったスキルを指しています。

学生起業は当初はバックグラウンドが近い学生仲間ではじまりますが、組織のスケールとともに中途採用をするようになります。

その際、組織経験のある(特にマネジメント経験のある)方を採用した際、マネジメントができず苦労する場合があります。

ただし、昨今は学生時代に起業し組織構築経験をお持ちの方や、インターンで責任ある立場でビジネスを牽引していた方もいらっしゃいますので、その経験から活かせる部分は多分にあると思います。

ポテンシャライトで採用支援に携わらせていただいている会社の中でも、学生起業の会社が何社かあります。学生時代にインターンで事業を立ち上げて責任者をしていたりなど、その経験によって、学生起業のデメリットを感じさせない会社もありますよね。

(学生起業に限らず)よく言われるのは、経営陣のリファラルだけでは採用が難しくなるのは社員数10名台です。

そこをこえると、異なるバックグラウンドの方を受け入れることになります。組織づくりやマネジメントに苦労するのはその後、という感じかと思います。20名や30名の壁の一因とも言えます。


・社会人(ビジネス)経験ある場合は、その特徴、偏り

社会人経験がある、つまり、学生起業ではなく会社での就業経験がある場合、それがどんな環境だったか?という論点です。

  • どんな組織で働いてきたのか?
  • どんなマネジメントされてきたのか?
  • マネジメントした経験はあるのか?それはどんなマネジメントか?


社会人経験があっても、そこでどのような組織経験をしてきているかは様々です。「自分がされてきたようにする」・「自分が見てきたようにする」傾向があることを認知するとよいです。

例えば評価体系を事例にあげてみると、ガチガチの体育会系で、売上や利益ばかりで評価されてきた場合、プロセスやバリューで評価された経験が乏しく、当然プロセスやバリューで評価した経験もお持ちでなかったりします。


そのため、プロセスやバリューを承認する、といったことにイメージがわきません。その場合、異なるバックグラウンドの中途社員のマネジメントに苦労することになるかもしれません。


・創業メンバーの関係性の質

創業チームの質は、配下のチームの質に影響します。創業初期からのチームづくりはとても重要です。


少しそれますが、ピーターティールは『ゼロ・トゥ・ワン』の中で、
"創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない。"
と述べ、創業時がいかに重要かを説いています


"偉大な企業はいずれも独特だけれど、どの会社も一番はじめに正しく行っておかなくてはならないことがいくつかある。僕がいつもそればかり言っているので、友人たちはこれを冗談っぽく「ティールの法則」と呼ぶようになった。「創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない」という法則だ。"



⑵プロダクト・サービス

事業内容が何か、です。

ここではわかりやすく、プロダクトを持っているか、または労働集約型か、の2つで考えてみます。

※プロダクトを持っている・・・エンジニアがいてプロダクトを提供するような事業を指しています。

※労働集約型・・・プロダクトを持たず、人ありきのサービス提供をする事業を指します。人材紹介や採用代行などがイメージしやすいと思います。


・プロダクトがある場合…

プロダクトグロースを前提とした組織設計・採用計画になります。

プロダクト起点で、エンジニアやCS、セールスの組織づくりを設計することが求められるためです。

そのため、マネジメント採用・配置がとても重要になります。

エンジニア組織やCS組織、セールス組織、それぞれに優秀なマネジメントを配置すること、またそのコラボレーションが上手くいくことが、プロダクトグロースに不可欠です。

マネジメントを採用・配置を優先しつつ、メンバーをそれに合わせて採用しスケールしていくことになります。


ここで、メンバーを育成してマネジメントにするべきかどうかには賛否両論あります。外からマネジメント経験のある人材を採用するべきだという意見もあれば、生え抜きで育てて上手くいったという事例もあります。

ただ、言えることとしては、マネジメントを生え抜きで育てようとする場合、育成者(つまり経営陣)のマネジメント育成力や経験が重要となること、また、マネジメント経験は一朝一夕に身につけられないため時間軸の問題はあること、また当人の強いコミットが求められることは言うまでもありません。


(ただポストがあるから、他に人がいないしちょうどよいから、というアサインでは、難しいと感じます。)


『NETFLIXの最強人事戦略』においては、
今の人材が成長する(半年後必要な人材になること)と決して思わないこと、つまりマネジメントは外から採用をするべきということが強調されています。


・労働集約型の場合…

労働集約型の場合、必ずしもマネジメント採用は重要ではないことも多いです。プレイングリーダーやメンバーを採用し生え抜きでマネジメントに育てていくのもありです。

理由は、労働集約型のモデルの場合は特に、プレイングをやらずマネジメント業務だけするマネージャーは、ベンチャーのフェーズが浅いほど不必要だからです。


マネジメントの仕事の定義にもよりますが、事業戦略や人材育成、組織運営を仕事とした時に、それだけを行うマネジメントは、社員30名くらいまでは不要なのが現実感です。


ただし気をつけた方がいいのは、労働集約型こそ、ピープルマネジメントが重要であり、ピープルマネジメントは一朝一夕に身につけられません。


経営陣のマネジメント経験によってどれほどカバーできるか、また経営陣が「マネジメントの育成」ができるか、が重要となってきます。(ここでも経営陣のバックグラウンドが影響します。)


また、一人の人がハンズオン(直接OJTなどできる)で育成できる人数キャパシティは、6-8名がMAXと言われています。それも踏まえ育成者育成や採用計画を立てる必要があります。


・プロダクトやサービスの思想は?

  • どの顧客にどの体験を提供しようとしているプロダクトか?
  • toBを向いているか、toCを向いているか?
  • どのような思想か?

といったことです。


近しい領域のプロダクトやサービスを行なっていても、その思想は様々ですよね。それが採用ターゲットへの魅力点や採用競争力になってきます。


少し余談になりますが、BtoCのサービスの方が採用における入り口の応募者数は苦労しにくいです。
BtoCのサービスの会社では、あるシリーズBの会社では月500件あると聞きます。シリーズAで月200件を超える応募がある会社もあります。
一方、BtoBの方が組織スケールの初期段階に苦労しやすいです。(週に数件しか応募がないなど…)



⑶資金調達

実は、資金調達の有無はすごく重要です。

資金調達していることそのものが重要というより、第三者の意見や視点の介入があるか、が人事組織に影響します。


・ 資金調達している場合…

①組織設計の要請

VCや投資家への説明責任があるため、「ファイナンス観点」および「プロダクト戦略観点」で、人事設計や組織計画をしっかり行う要請があります。

つまり、(資金調達しない会社と比較して)組織設計をアーリーフェーズから行うことになることが多いです。

投資家に説明できないことができないため、トリッキーな制度や施策がしにくいという抑止に良くも悪くもなることもあります。


②第三者のアドバイス・エッセンスを受けられる

ぼっち人事が組織作りに悩んだら、アドバイスをもらえたりします。(うらやましいです)

VCや投資家の方など、同じケースをみている第三者からのエッセンスを受け取ることができます。


③投資家の介入

アドバイスを得られるというメリットだけでなく、介入度合いの強弱も影響します。

例えば、売上重視されるなどのファイナンスへの介入です。

良し悪しというよりは、資金調達をしていない会社と比べると、「社員へどの程度還元するか」、「組織施策にどうお金を使う」といった観点の自由度が制限される場合があります。


・資金調達していない場合…

上記と逆に、第三者の視点や介入が入ってきにくいです。

経営陣の判断や勘定に委ねられるところが多く、客観性が入りにくいです。(当社がまさにそうで、資金調達をしておらず外部アドバイザーもいません!)


ここで、採用/組織づくりにおいては、一人目の人事(後述)の視点や考え方、経営者への影響力がとても大事になってきます。



◆ベンチャー人事(特に1人目の人事)に求められること

ベンチャーの最初の人事を誰かに任せることになったとしましょう。この2つは要素として求められるのではないかと思います。

※ここでは非専任人事(社員一桁〜10名台まで)と専任ぼっち人事(社員10,20名台以降)両方も指しています。



⑴経営視点

・経営や事業起点で人事組織を考え推進する

  • 経営戦略という文脈からつながる人事戦略を考え・ドライブする
  • ミッションやビジョン、経営戦略ありきで、それにあわせて採用含む組織設計をする

上記が求められます。


そのため、いちメンバー視点ではなく、経営者と同じ視座でものを見られる必要があります。

ここでいう経営視点とは、ただ経営視点をもてという精神論ではなく、然るべき情報や裁量、責任も担った上で、経営と同じ視点をもち物事を推進していけることが重要です。


参考:マッキンゼーの7S 


・採用実務経験そのものはあまり重要ではない

経営戦略や事業戦略ありきで組織をデザインし推進していく際、「採用」はあくまで手段です。

ここで、(採用が得意で好きというのももちろん強みの一つなのですが)採用経験を重視して最初の人事にアサインするのではなく、あくまで経営や事業の目的意識をもつ人をアサインした方がよいかと思います。

実際、ベンチャーの最初の人事は、人材業界経験や事業会社採用経験を活かすという方ばかりでなく、事業や組織を立ち上げたりマネジメントしてきた経験のある方が活躍しているケースも多々あるかと思います。


⑵CEOを補い、影響し、時に変革させられること

  • CEOは万能ではなく、強みや思考が偏ることがある。
  • また、CEOに物申せる人は限られている。(組織が大きくなるほどに)

これを理解し、CEOと同じ土台で議論、推進できることが求められます。


ナンバーツーと呼ばれる「CEOの右腕」は、ベンチャーにおいて非常に重要な人物といわれることが多いですが、次いで「最初の人事」も重要な人物なのではないかと考えています。


余談ですが、これまでお会いしてきたベンチャー人事の方々は、「バランサー」「謙虚」「しかし軸がありはっきり物申す」「迎合しない推進力がある」と共通して感じました。
経験則的に、人事にCEOへの影響力や変革力が乏しい場合、組織がタコツボ化しやすいのではないかと思っています。



◆組織づくりすることになった人に向けたTips

組織づくりすることになる人は、人事不在のアーリフェーズにおける経営陣や、最初のぼっち人事だと思います。

先人たちに学ぶ、「それ知っておきたかったわ・・・」というTipsを並べます。


あくまで、ビジネスやプロダクト、経営陣のバックグラウンドなどにより非常にケースバイケースであるのは繰り言ですが、少しでも活かせるエッセンスがあれば幸いです。

興味のあるところだけお読みください。


・組織スケールに伴い、必要なマネジメントが変化する

あるフェーズでマネジメントができる人が次のフェーズのマネジメントの適性もあるとは限りません。

1→10の過程のマネジメントが、10→100の過程でワークするとは限らないのです。

ここで、前述の通り、外からマネジメント経験者を採用するべきか、中のメンバーから育てるか問題が発生します。

プロダクトがPMFをある程度果たして拡大する時期に入れば、その時、セールスひとつとっても、拡大に適したマネジメントのあり方は変わってくるでしょう。


また、「マネジメント」が何かを定義することも大切です。

「マネジメント」という言葉の抽象度は高いですし、事業や組織体制によって、必要なマネジメントのあり方は様々なです。

戦略?意思決定?組織運営?ピープルマネジメント?人材育成?・・・何をマネジメントとするのか定義しておくと良いでしょう。


・役割や責任をそれぞれに任せる

社員数が増えてくると、責任や役割があいまいになったりたらい回しがはじまります。

アサインメント・配置の妙として、そういった不整合が起きないような意図や計画はたしかに大事だなと感じます。


※最近拝読したSmartHR代表の宮田さんのブログ、大変参考になりました!

「たらい」が2回まわったら新ポジションの合図


また、こちらも参考になりました。

ピーターティール『ゼロ・トゥ・ワン』より


"ペイパルで経営者としてとった最善の策は、一人に一つの責任をまかせることだった。各社員が担う仕事や責任をそれぞれ違い、それに対してだけ評価を下す。
役割をはっきりさせることで、対立が減る。大抵の社内の争いごとは、社員が同じ仕事を競う時に起こる。

アーリーフェーズでは業務が流動的であるため、そうしたリスクにさらされやすい。社内の競争をなくし、社内を平和にすることが、スタートアップの生き残りに重要である。"


・文化は一朝一夕にはつくれない

「自律的な文化」や「自由度が高くそれぞれに責任を果たす文化」をいかにつくるのか、は人事や現場マネジメントの一大テーマなのではないかと思います。

多くの本が、「規律を重視するべき」であり「規律ある社員を採用せよ」とメッセージします。


(そのための採用はもちろん重要である上で)「ルールや制度をむやみに増やさないこと」がとても大切だと考えています。

社員が増えるごとに、ルールを増やす方向に向かいがちです。

(もちろん然るべき作るルールはあるでしょう。)

ルールが増えてしまうのがどういう時かというと、規律が乏しく自律的でない(と思っている)人たちを管理しようとする時、なのではないでしょうか。

そこで増やしたルールや制度でうまくまわっているように思っても、本当は作り上げたい文化から遠のくように感じるならば、他のやり方を模索した方が良いかもしれません。

特にベンチャーでは一人一人の自律が重要であり、それを支える文化形成は後々もとても大切になってきます。


規律の重要性が書かれている本は多いですね。


・『NETFLIXの最強人事戦略』では下記のような表現があります。

"規律と責任の文化"
"文化とは、仕事の進め方に関する戦略"

ネットフリックスは規律をもった人材を「大人」と表現し、「大人を採用せよ」と伝えています。大人であれば、ルールや制度は最小限でよく、その方がクリエイティブで機動性のある仕事の仕方ができるといっています。


・ビジョナリーカンパニー2や4でも、規律の重要性が書かれていますよね。

偉大な企業の共通点として、経営者自身の規律と、組織の規律を挙げています。


・ちなみに、「ティール組織」は、社員が規律ある人材であることを前提としている組織作りですね。


・アーリーフェーズで人事制度を無理に作らないでいい

人事制度(評価・報酬・等級制度)は少なくとも20名のフェーズまでは無理に作る必要がないです。なぜなら外部環境も内部環境も変動的であるためです。制度ができた頃には社員が入れ替わっていたり、マーケット状況が変わっているかもしれません。

人事制度を作るべきタイミングは、20〜30名台、遅くとも40名の時にできているくらいが良いかと思います。


※ただし社員のバックグラウンドやニーズによっても変わります。


例えば大手出身者が多く評価や報酬の仕組みがある環境で働いてきた人たちにあわせるのであれば、早い段階から整えるという判断もあります。
(後述の、働き方の制度を作る時に重要な問いは「誰にあわせるのか?」も参照)


アーリーフェーズでは、評価や報酬の制度を作るというより、バイネームで「●●さんの成長計画」のように個別で当人とのコミュニケーションを丁寧にすると良いでしょう。

また、アーリーフェーズでは特に主要な人たちが育てばよいとして、数名に絞って成長計画を立てるやり方もあるかと思います。


・でも、バリューはアーリーフェーズから早めに作るべき

しっかりとした人事制度はアーリーフェーズでは不要(20~40名のフェーズで作っていけばよい)である一方、バリューは早く作るべきです。

バリューは組織にとって大切にしたいビヘイビア(ふるまい)です。これは後々、こういう社員を評価するよ、というメッセージにもなります。

アーリーフェーズで人事制度を丁寧に作るかわりに、バリューをみんなで話しあってみるのは良いでしょう。

  • 自分たちが提供したいお客様への価値、を共通言語化する。
  • どういう状態を、価値が提供できている状態か?を全員で考える。

といったことです。


先日の『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』において、メルカリ社でこのような事例の記載がありました。
バリューの浸透やメッセージングなど、本当に素晴らしいなと感動しました。

・メルカリでは四半期に一度表彰があり、バリューそれぞれを冠とした表彰がある。
・2019年度1~3月度の「Go Bold賞」は、ローンチされなかったサービスの担当者に送られた。
・サービスを世に出すかどうかは経営判断や結果要因だが、そこに挑戦する姿勢・行動は自らの意思であり、振る舞いである。


・賃金体系(軸)もアーリーフェーズから早めに作るべき

アーリーフェーズの報酬は、決定軸がなくCEO裁量で決定されていることが多いです。

特に、前述のように、資金調達をしていなかったり外部のアドバイザーが関わらない場合、CEOの個人の裁量で決めてきたことになります。
これが、のちに組織がスケールし人事制度を作る際に、整合性をとることに苦労することになる要因になり得ます。実際のパフォーマンスに対して少ない報酬の人、または高い報酬の人、という歪な構造ができてしまいがちだからです。


アーリーフェーズで人事制度をすぐに作らない場合でも、今すぐにCEOや人事ができることは、「記録する」ことです。


何を記録するかというと、

「その給与を提示した理由」・「その人を採用した理由」・「その人を昇給させた理由」などです。

例えば、8人目の社員としてAさんを採用することにした。その人を採用したいと思った理由と、その人に●●●万円を提示した理由、また昇給させた時の理由を、できるだけ記録しておきます。

(今からでも各社員分を遡って記録するとGoodです)

それが後々、人事制度・報酬制度を作る時に参考の軸となりますし、CEOの裁量による誤謬を防ぐことになります。


・働き方の制度を作る時に重要な問いは「誰にあわせるのか?」

どの職種にあわせるのか?社員の中でもどんな社員にあわせるのか?

全員にとって適切な制度を作ることは難しいです。

  • 開発とビジネスサイド、どちらにあわせるか?(ある意味どちらを大切にするのか?)
  • 出社してフルコミする人と、リモートを希望する人、どちらにあわせるか?(ある意味どちらを大切にするのか?)
  • Aさんにあわせるのか?Bさんにあわせるのか?

といったことです。

どんな目的や意図を持ち、誰に合わせるか、によって、組織へのメッセージングになります。


例えば、リモートワーク希望で成果責任も果たすという人のためにリモートワークの環境を整えれば、「成果責任させ果たせば、自由である」という、メッセージになります。

また、フレックス制度を導入するなら、「こういう働き方を推奨する」、「時間で働くのではなく、成果重視」という会社としてのメッセージになります。


・匿名サーベイは要るか問題

実体験上も、匿名サーベイは、社員10名以下のような超アーリーフェーズではワークしにくいです。

人数が少なすぎて、誰が何を書いたという話になるだけですし、また、アーリーの段階で匿名サーベイが必要な組織(意見がフラットにでてこない)であればそれはそれで課題です。


ただ、あくまで超アーリーフェーズでは、という観点と、データをとる目的や使い方によるかなと思います。

組織の記録として、エンゲージメントサーベイなどを初期からとるのは良いでしょう。


また、必要に応じてGoogleフォームなどで意見を集めるのは有効かと思います。

(当社では度々社員の意見を集めるためにGoogleフォームを使っています。また、社員一桁台の時から、エンゲージメントサーベイをとりディスカッションしています。)


・最後に・・・労務を社労士に任せきりにしない、軽視しない

最後に、労務については本noteでは触れてきませんでしたが、少しだけ触れます。
社員数増に伴って必要な法令遵守は様々あります。組織を運営するにあたって重要かつ理解しなければいけないこともあります。


最初に訪れるのは、社員10名時点で届出が必要になる就業規則でしょう。あわせて勤怠管理など労務管理体制も整えなければいけません。(大変でした…)


組織スケールの際の採用競争力を考えても、アーリーフェーズからここに丁重に向き合って損はないです。また、IPOを目指す場合などは、労務面が急成長したベンチャーにとってボトルネックになることもありますので、早めに整えておくことに越したことはありません。

(採用が攻めだとしたら、労務や法務といった守りもとても大事です。わるいことは言いませんよ…)



いかがでしたでしょうか。

少しでも参考になる部分があれば幸いです!


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